『歎異抄』に帰る

-新迷林遊林航海記

なんで“航海記”なの?

なんで“航海記”なの?と聞かれた。

   人生は渡り難い海

なんだかそんなイメージです。

  如来の願船いまさずば
  いかでか苦海をわたるべき

というご和讃がある。あるおばあちゃんが法語カレンダーを指さして、「この言葉が分からないから教えてね。」と声をかけてくれた。
なるほど私たちの日常は「苦しみ海」と表されるような、
「渡り難い海」と表されるような、
ものではないんだ。
だからちょっと意味がわからないことをあらためて教えていただいた。
むしろ「前向きに」なんてのがお似合いかもしれない。

前向きになんて言葉が、真実や悲しみに歯が立たなくなる時、
難度海や苦海という言葉にすくわれる。
そこには難度海を度する大船、如来の願船がある。