『歎異抄』に帰る

-新迷林遊林航海記

いつか、戻ってきてほしい。家の宗教に自信をもって。

真宗大谷派には、いくつも学校がある。その学生の多くは、お寺で生まれた子ではないんだそうだ。私のようにいずれは寺の跡を継がなければならないから、宗門の学校へ行くという人の方が少ない。大谷大学や専修学院はどうか知らないけど、保育園だって、中学・高校だってそういえばそうだろう。

若い時に出会い、学んだ、親鸞聖人の教えに、いつか、戻ってきてほしい。

家の宗教に自信をもって。

と、声をかけるんです。

そんな言葉を聞き、背中を押されたような気がしてうれしかった。考えてみたら、寺に生まれていても、親鸞聖人の教えに遠い。たまたま縁あって、宗門の学校へ行ったけれど、念仏を忘れる生活をしている。そして、家の宗教に自信がなくて、でも大事にしたくて、何をしなくちゃいけないのかとか、何を大事にするのかと、呑気にもじゃもじゃしてたり、時には頭燃を払うがごとくもがいたりする時もある。