『歎異抄』に帰る

-新迷林遊林航海記

煩悩について覚書 たまに更新

煩悩について 2013.4.2.更新
《根本煩悩》
根本に六大煩悩。貪・瞋・無明・慢・疑・見(邪見)。

煩悩の根源は貪欲(とんよく)・瞋恚(しんに)・愚痴(ぐち)の三毒。愚痴は無明(道理に暗い)。動物も持っている煩悩、どうやっても消せない。慢・疑・見(邪見)。「邪見驕慢」は破られることがある。「慢」は他に対して心がおごり高ぶる。自他を比較して、他を軽蔑し、自らをたのみ心が高ぶること。

《随煩悩》(「唯識」参考)
根本煩悩に付随して起きる煩悩ということで随煩悩といい、全部で20種。小・中・大は、他の煩悩との共通性が小さい、大きいという意味で使用され、小随煩悩は、それ単独ではたらく煩悩。「小さく弱い煩悩」ではなく、強烈な煩悩。

〈小随煩悩〉
【忿(ふん)】いかり、
【恨(こん)】うらむ。
【覆(ふく)】覆いかぶさる、心が覆われて重くなる。
【悩(のう)】なやみ・なやませる、
【嫉(しつ)】そねみ。(「妬」ねたみは唯識には出てこない)
【慳(けん)】ものおしみ。いざとなると惜しくなる。
【誑(おう)】だます、
【諂(てん)】へつらう、清浄のこころが無い。従順な顔をしているがへつらっている。
【害(がい)】暴力性を持っている。思いやりのこころがなくて傷付ける。

【驕(きょう)】おごり。自分について自らの心のおごり高ぶること。
「慢」は他と比較して起す驕(おご)りで根本的な煩悩とされるが、「憍」は比較することとは無関係に起る。家柄や財産、地位や博識、能力や容姿などに対する驕りで付随して起す煩悩。「憍」を八憍といい、盛壮憍(元気であるという誇り)、姓憍(血統が優れているという誇り)、富憍(お金持ちだという誇り)、自在憍(自由だということの誇り)、寿命憍(長生きであるという誇り)、聡明憍(頭が良いという誇り)、善行憍(良い行いをしているという誇り)、色憍(容姿の誇り)。

〈中随煩悩〉
【無慚(むざん)】【無愧(むき・むぎ)】申し訳ないと思うことが無い。

〈大随煩悩〉
【掉挙(じょうこ)】のぼせ、
【昏沈(こんちん)】大事な時に眠くなる
【不信(ふしん)】続かない。
【懈怠(けたい)】怠る。善を修し、悪を断ずることにおいて怠る心。
【放逸(ほういつ)】楽をしようとする。
【失念(しつねん)】物忘れ。悲しいことがあっても悲しむべきことを忘れる。
【散乱(さんらん)】気が散っていること、
【不正知(ふしょうち)】正しいことを知らないこと
参考: 2013.3.28.親鸞教室、 http://seikannamo.blog.ocn.ne.jp/jinnsei/ 、等