『歎異抄』に帰る

-新迷林遊林航海記

そろそろ啓蟄

三月に当寺で、富山県南砺市の「城端別院宝物巡回お講」があるので、ご講師のお名前を確認するために電話をした。


城端別院は毎日お朝事があってご法話がある。おじいちゃんの代役だったか、先輩のピンチヒッターだったか、何回かお話に立たせていただいた。本堂はすごく広くてとっても寒いので、お参りに来られる方はもこもこジャンパーや膝掛けが欠かせない。一度話していると寒くて寒くて歯がカチカチなって話せなくなったことがあった。聞いている方には見苦しく申し訳ないのだけど、とにかく寒くて話せないから、足元にあった電気ストーブを机に置いて顔を温めて話したのだった。貴重な体験である。


寺の名を名のると、事務の女性に
「ああ、○○さんね、お子さんが小さかった時、連れてこられて講師控え室のこたつで眠っていたね、大きくなられたでしょう。」
と声をかけられた。
お説教に連れ歩かなくなったのはいつからだろう。今ではすっかりお留守番を寂しがらなくなった。子連れだと三倍は気を使う。がんばっていた私に久しぶりに出遇った気がした。


そろそろ啓蟄、三月は予定がぎっしり、目をさまさないと。