『歎異抄』に帰る

-新迷林遊林航海記

夢は小説家

六年生を送る会で将来の夢が語られる。遊林は「小説家」になりたいのだという。

びっくりした。実は遊林この夢を「親が喜ばない」と予想していた。

これは重要なことで、保育園の時からしょっちゅう子どもは将来の夢を語らされるが、私は困った覚えがある。そんなもんまだ決まっていないんである。「お菓子屋さん」なんて書いていた私に反して、遊林は常に、「親が喜びそうな」ことを言ってきた。医者とか、看護婦さんとか、喜ばないんだけど。保育園の卒業式では早口で「びょういんではたらくひと」といった。早口でもじゃもじゃいったから私しか聞き取れなかった。最近は薬剤師とか。本当に申し訳ない。

それで、ようやく親が喜びそうな事でない、将来の夢を書いたのである。

 

先日下書き保存したままの記事があった。

アマゾンで注文した本が届いた。遊林テニス準優勝戦利品「都会のトム&ソーヤ」、たくさん出ていて、1巻から4巻まで買うことにした。

都会のトム&ソーヤ (2) 乱!RUN!ラン!     YA! ENTERTAINMENT

都会のトム&ソーヤ (2) 乱!RUN!ラン! YA! ENTERTAINMENT

 

 

テニスで準優勝して、「なんでも買ってあげるよ」といわれて、欲しがったのが唯一この本だった。唯一といっても15巻くらいある。けちんぼな私はアマゾンで探して安いのを4冊くらい注文したのだった。

 

遊林は言った。『都会のトムソーヤ』みたいなわくわくする冒険の話を私もいつか書きたいの!大好きなの!

もうすぐ誕生日なので、誕生日に何が欲しいと聞いてくれるおばあちゃんに残りの10冊を買ってもらうことにした。よかったね。

迷林は言った。「遊林、映画でやってる『永遠のゼロ』を書いた百田尚樹さんは、テレビの放送作家で、小説も書いているんだよ。お医者さんで小説を書いている人もいる。先生で本を書いている人だっている。遊林は地元の大学に行ってほしいし、それはいいんだよね?だったらそこの学部に教育学部があるし、先生になるために学んで、小説も書けばいいんじゃない?」ふふ、女の浅知恵。

「それは、いいね!私先生と小説家になる!」

と、いってまた、彼女は親を安心させた。申し訳ない。