『歎異抄』に帰る

-新迷林遊林航海記

「万燈会(まんとうえ)」のプレッシャー

「万燈会(まんとうえ)」の法話を快く引く受けてしまったが、毎度プレッシャーを感じている。法会(ほうえ)に参られる方、法話を聞いて下さる方は、こんなに楽しいことがいっぱいある現代に、わざわざ寺に来ることを選んで、私の目の前にいらっしゃる方々なのである。その方たちのお陰で、なまくら心に鞭打って少しは勉強しようと思う。

それで、今回は「万燈会」なんだけれども、御依頼下さったご住職から、「万燈会とはなにか」ということに少しふれてほしい、という希望があり、ネットで見ればすぐわかるだろうと思っていたのだけど、なかなか手強くて、手がかりになったのはこのサイト↓

万燈会とはなにか - 住職のひとりごと

高野山でも30年ほど前からロウソク祭りが8月13日に行われる。

 

万燈会とはそもそもいかなるものかあらためて考えさせられた。万燈会とは、罪障を懺悔して四恩に報じ万燈を諸仏に供養する法会と、法蔵館密教辞典にはある。つまりただ万燈を供養することが目的なのではない。そこに至る思いはいかなるものかと問われる必要があるということだ。 何事にも目的や動機がある。そもそも一つの灯りを灯そうとする心はいかなるものかと尋ねなければならない。それが罪障に懺悔して四恩に報ずるということだろう。日頃の行いを反省し、知らず知らずのうちに犯している様々な罪過を懺悔する。身と口と心で犯している過ちにまずは気づく必要がある。

上記HPより

 

それで、図書館へ行って「万燈会」や密教の本を探すけれど、見当たらず。

それらしいのが、『高野山四季の祈り』という本。写真がいっぱいで雰囲気が伝わります。

 

お盆は、先祖さまの里帰りの時で、現在は新暦の八月の行事となっているところが多い。一日は盆の入り、七夕(たなばた)は精進潔斎(しょうじんけっさい)を始める日、十三日から十五日までは帰って来た先祖さまを接待・供養する期間である。金剛峯寺の唐戸前の軒には、高々と切子燈篭(きりこどうろう)が掲げられ、盆の到来を告げる。八月十一日の頃、各院は盆棚を祀り、先祖迎えをする。僧侶は若僧らを従え、提灯と小ローソク・水の実などを持ち、奥の院へと向かう。(略)

多くの院は、十三日に仏送りをし、(中略)十三日に各院が、一歩先に盆祭りを終えるのは、お盆に訪れる大勢の信者に対応するためと思われる。

(八月十三日に金剛峯寺の「ローソク祭」がある。)

高野山四季の祈り』より

 

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本を見て、めいちゃんに描いてもらった「切子燈篭(きりこどうろう)」。盆の月一ぱい軒に掲げられる。中に火が灯り、祖霊はこれを目当てに帰ってくると信じられている。のだそうだ。

 

…、お手上げです。同じ「お坊さん」、「お寺」、といっても宗派が違うとなんにもわかりません。自分が井の中の蛙なんだなぁと痛感します。「そもそも一つの灯りを灯そうとする心はいかなるものか。」そこに身を据えて、お参りに来られた方の気持ちを大切にしたいのだけども。

親鸞聖人の墓所、京都「大谷祖廟」でも、万灯会(まんとうえ)という行事があることを教わりました。

大谷祖廟の恒例行事 | 東本願寺

さて、何からとりかかろうか。

(次ログに続く)