『歎異抄』に帰る

-新迷林遊林航海記

北陸連区坊守研修会in「あえの風」に参加しました その3

前回からのつづき

 

私たち(大垣教区)の地域の者は、北陸の人と違ってお調子者が多い、ラテン系
ラテン系は歩いてから考える
ゲルマン系は歩きながら考える
アングロサクソン系は考えてから歩く
北陸の人は、考えてから歩く、方向づけしないと動かないイメージがある。

 

往生は心にあるがゆえに現在にあり
(と、という言葉があるけれども)

忘れ物を何を取りに来たか悩むことはありませんか。なぜそういうことになるか、何を取りに行くかはっきりしていないから。はじめに決まっていれば、心が先に行けば体がついて行く。定めなし(はっきりしていないから)、体だけ動くと何をしに来たかわからなくなる。
そういうときは、元に戻れ、元に戻ったら思い出す(ということがある)。心を(目的に)とばしておかねばならない

たとえば、東京まで行く、最初に心が東京にいかねば

最初に心が往生していなければ、身が(往生することがない)。往生は現在

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ところが私の妻は、福井の親の実家に行こうとした時に、私に調べてくれと言うので、調べてチケットを用意した。大垣10:21発「しらさぎ」少し前に駅について立っていた。駅員さんが「どちらに行かれますか?」と聞いてくれて、よっぽどかわったなりをしていたか、聞いてくれて、「こちらです。」とホームを教えてくれて立っていた。すると、振り返ったホームに10:19発の「しらさぎ」が入って来た。
彼女はそれに乗った。岐阜へ行き、名古屋についた。それで30分後に大垣に帰って来た。すると、さっきの駅員さんがいた。…
(「しらさぎ」は名古屋から金沢間の特急、主な駅は、名古屋→岐阜→大垣→米原敦賀鯖江→福井→加賀温泉駅→金沢)「しらさぎ」に乗れば北陸へ行けると思っている。方向間違い、往生の先がはっきりしていない。
心が目的地に往生していないから。(妻は気楽というか、天然なので、しょっちゅうやっている。)

先ず行き先、方向、どっちを向いている。
それを教えに聞く。
孤立していたら教えに聞くことが無くなる。どこにいくかわからない。(自分が)どっちにむかっているか、聴くことができる人と人との環境が希薄になっている。

(現代は)恵まれていることが一切のことを忘れることになっている。

私の地域は揖斐川長良川が近い、水に恵まれるところで地面に穴を掘ると水が出るような地域だったが、近くに大型店舗ができた時に、水脈が変わってしまったのが、水が出なくなった。水のない生活は何よりも辛い。水の代わりはない。水のないことで水の尊さを実感した。数日経って水が出た時に思わず「なんまんだぶつ」。
一つ欠けることで一大事に気づく。
満足しすぎると分からない。

私たちが繋がりの力によって(生かされていること。)縁起のはたらき。
(どう生きるかの)方向づけ、(今の私の)現状は、教えを通して気づかされること

講義Ⅰ、Ⅱ終わり

 

(かっこ内)は、記憶をたどっての補足であることが多く、実際の講義とは違いがあるかもしれません。まあ、どう聞いたかが露呈されるところではあります(汗)

 

さて、この後は班別に座談会があります。講義をどう聞いたか、日頃どう考えているか、まあ、教えに出会ってどう生きているか、寺に身を置きながら…、みたいなことが話し合われます。

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座談会ですので、司会や記録係がおりまして、「坊守会の学習会なんて、飯食って、しゃべってるだけ。」なんておっしゃる方もいらっしゃいますが、その方にとっては意外だろうけれども、すごく真面目に取り組んでいますよ。

 

今回印象的だったのは、夕食前の勤行時(お参り、お勤め)の「感話」。
「私は数年前に何も知らずに横浜から嫁いできて、ラテン系だと思う。最近、ずっとやりたいと思っていた『ギョーザを作る会』をお寺でやることができて、たくさん参加者があって、お年寄りもとても喜んでくださって、とてもうれしかった。」と、話された。


私にはない発想で、とっても素敵だと思った。思わず「感話すごいよかった~!」と声をかけました。

「寺にいるものの責任」という課題は、研修会でテーマになることがよくある。
問題を提起するのは、(自分の寺はほったらかしの)単身赴任のお役人だったりする。
「寺に嫁いでからずっと(数年)やりたいと思っていたことがあった。実現できて、ご門徒さんも喜んでくれてうれしかった。」って言葉の方が私には響く。
さて、私は何をやろうかな

たぶん、「私の心は往生しています。」なんて宣言するのは、変です。
「あなたも、心を浄土に向けて、往生しましょう。」というのも、私は言わない。
ふふ。迷林だし