『歎異抄』に帰る

-新迷林遊林航海記

美作騒擾(みまさかそうじょう)140年の沈黙に

「美作騒擾」について学んだのでレポートを書いている。2022年5月28日「美作騒擾150回忌法要」が勤修された。なぜ美作騒擾が起こったのか、そのきっかけとなる「賤民廃止令」のことは、まとめることが出来そうだが、美作騒擾自体を書こうとすると辛くて進まない。

殺されたのは被差別部落民ばかり18人、襲った側は死刑が15人、処罰者数が2万7千人。 1873(明治6)年、岡山県北部美作(みまさか)地方でおきた騒擾事件は明治の同種の事件の中でも大規模なのに、正史ではほとんど扱われない不思議な事件である。

「被差別部落民18人殺害、美作騒擾140年の沈黙に抗う~頭士 倫典」 ジャーナリスト・西村 秀樹 | シリーズ・ 抗う人 (gendainoriron.jp)


ジャーナリストって偉大だ。西村氏は「パソコンのキーボードをたたき文章を転載するだけで、こちらの心が凍ってくる」と書かれているが、私は血が流れる思いがする。仏教では人間を「有漏(うろ)」という。これは身から漏れ出るもの、流れ出るものがあることをいうと、真宗大谷派教学研究所の武田氏が講義で話しておられた。汗が出たり、涙が出たりする。痛みと共に血が流れ出る。
レポートが仕上がったらまた報告します。

【参考文献】

『部落(むら)を襲った一揆』上杉聰著(解放出版社)・2頁
『これでわかった!部落の歴史』上杉聰著(解放出版社)・190頁

広辞苑』第六版(岩波書店)・471頁